日本有数繁華街の元ゲーセン店員さんにぶっちゃけ話を聞いてみた(2/2)

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日本有数繁華街の元ゲーセン店員さんにぶっちゃけ話を聞いてみた(1/2)

2016.11.21

ゲーセン店員の仕事について

オタハナちゃん
ゲーセン店員当時の勤務体制・月収・福利厚生は?
CQさん
早番と遅番があり、時間は固定でした。週4で土日は基本出勤で、希望があれば理由付きで提出でした。月収は13~15万円…保険や年金は中々負担してくれないというか、場合によってはシフト減らされたりして加入にならない様になってました。
オタハナちゃん
なるほど、そういう風にコントロールされることもあるのですね。
CQさん
有給休暇等はちゃんと説明されたし使えましたよ。当時は若くて実家暮らしだったのでこんなもんかなーという感じでしたが、手取り考えるとちょっときつめかなと。
オタハナちゃん
実家ぐらしだから成り立っていたというのはありますね。男性女性で業務内容が変わったりすることは?
CQさん
あんまりないかなとも思いますが、基本的に女性はプリクラやクレーンゲームに回される事が多く男性はアーケードゲーム中心の人が多かったです。勿論希望すれば女性もゲーム担当になれます。
オタハナちゃん
融通が利くところもあるんですね。一緒に働いた店員さんはどんなタイプの人がいました?
CQさん
働いてた土地柄もあるかもしれませんが、皆個性的でした・・・あと何故か役者や声優志望の人達がぽろぽろ集まっていました。
オタハナちゃん
面白い話ですね。集まってくる魅力があるのですかね。
CQさん
分類すると『接客業タイプです』といった明るくて社交的なタイプと『好きなゲームに触れたくて』という黙々仕事をするタイプの人間に分かれていたかなとも思います。
オタハナちゃん
日々の主な業務で「コレもやるの?」みたいな作業はありましたか?
CQさん
筐体のメンテナンス、お客様のサポート、店内清掃が基本で店内放送やTwitter等の盛り上げ活動も行っていました。
オタハナちゃん
多種多様ですね。
CQさん
景品の包装加工は最初少し驚きました。『フィルムに包まれた状態で来ないの!?』みたいな。店内のポスターやポップも自分で作ったりしたので、フォトショとイラレはそこでさわりを覚えられました…(笑)
オタハナちゃん
筐体(ゲーム機)のメンテンナンスなど特殊技術が必要かと思いますがどうですか?
CQさん
難しい事は後々覚えていけば良い話ですし、大体のメンテナンスは取説を見ながらやれば簡単ですよ!
オタハナちゃん
そんなものですかね。客側としてはとても難しそうに見えますが。
CQさん
ゲーム好きだと筐体の清掃をしている内に何となく構造とか配線を覚えてくるし、そうするとメンテナンスしやすくなって最終的には取説を見ずに難しい修理も出来ます。
オタハナちゃん
仕事をしていて嬉しかったことは?
CQさん
嬉しかった事は、お客様がゲームの魅力に気付いてくれる瞬間です。外国の方にプリクラの使い方を付きっきりで教えた時、最初は首を傾げてばかりだった人がシールが出てきたら目を輝かせてすぐにもう一枚撮りに行ってくれたのは嬉しかったです。
オタハナちゃん
それは嬉しいですね。逆に辛かったこと、怒ったことは?
CQさん
辛かった事は自分の考えたイベント等が上手くいかなかった時です。毎回成功すれば良いのでしょうが、中々そうもいかず……とあるゲームの大会を開いた時に、大会自体には沢山の人が集まり盛況に終わったものの、大会が終わった瞬間にプレイヤー全員が帰ってしまった事があり……休日の売れる時間を潰してまで大会を開く目的の一つに大会前後の売上を期待するというのもあるので、自分の努力不足もあり失敗でした。その後の大会も開催しづらくなってしまったので。
オタハナちゃん
なかなか難しい問題ですね。お客さんにお金を落としてもらわないと売上は最重要ですからね。
CQさん
怒った事は、お客様がお店の備品を乱暴に扱った時。画面をタッチして操作するゲームにタッチペン、ガンストにヘッドセット、プリクラだと貸衣装や小道具等ですね。
オタハナちゃん
ゲーセンは色々な人がいますからね・・・困った問題ですね。
CQさん
お客様がゲームを楽しめる様に用意している物を自分の物かの様に雑に扱われると正直『お前だけの為に用意してるんじゃねぇんだよ』と思いますし、そのゲームの何プレイ分の損害出してるのかを説明してやりたいですね。ゲーム目的以外の両替もいい気分はしないですし、営業妨害ですよね。
オタハナちゃん
なるほど。そんな中でこの仕事をしていて得したことはありますか?
CQさん
ゲーセンは老若男女は勿論オタクからパリピまで様々な人が訪れるので、色々な人間を知る事は出来ました。とにかく仕事に飽きる事が全く無かったのは自分にとって得でした。
オタハナちゃん
接客業の楽しいポイントですね。
CQさん
あとはクレーンゲームの景品にアニメ・ゲームのグッズは結構多いので、常に流行りジャンルの事が耳に入ってくるのは良かったですね。勿論、同じゲームが好きなお客様とお話出来たり繋がりを持てたのも間違いなく得です!
オタハナちゃん
そんな経験者が思うゲーセン店員に向いてる人は?
CQさん
人を喜ばせる事が好きな人は向いていると思います。あとはどんなジャンルのゲームでもちょっとやってみようかなと思える好奇心の強い人は、やってみてプレイヤーの目線でサービスを考えられるので楽しいかなと。
オタハナちゃん
向いてない人は?
CQさん
一つのゲームだけが好きで店員になるのは考えものかもしれません。そのゲームにだけ関われる訳ではないので。あとは、お客様目線と売上度外視は全くの別物!という事を考えられないとイベント運営やクレーンゲームには関われません、関わらせられません。
オタハナちゃん
仕事内恋愛などありましたか?
CQさん
他の職場とそう変わらない程度にはあったみたいです。
オタハナちゃん
若い男女が集まればそうなりますよね。
CQさん
勤務前や勤務上がりにガンダムEXVSで一緒に遊んでいたりするのはちょっと羨ましかったですねー。私は社内恋愛には縁がなかったです……が、ゲーセンで勤務しなかったら旦那には出会えなかった、とだけ(笑)
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本当にあった!?ゲーセンでのトラブルあれこれ

オタハナちゃん
以前、プリクラ機械から画像流出という話がありましたがホントですか?
CQさん
流出は恐らく結構前の話ですね。ずっと昔の機種は過去20プレイ程度のデータが残され再印刷出来る様になっていましたが、私が勤務していた時にはもう撮影データがすぐに消去される仕様でした。
オタハナちゃん
なるほど。プリクラで困った撮影していた人は?
CQさん
困った撮影は、定番だと性器露出撮影ですかね。酔った勢いで撮って、大体は近くの壁に貼り付けて帰ります。
オタハナちゃん
全てにおいてアウトですね・・・。
CQさん
違う例だとコスプレイヤーさんが好きなキャラの誕生日を祝う為に本物のケーキを撮影ブースに持ち込み、中でひっくり返してしまった事でしょうか……こういう場合でなくてもアイスだったり飲み物だったりで筐体内を汚してしまう例はあるのですが、掃除も大変ですし何よりプリクラは金属板一枚挟んだだけで精密機械がギッシリ詰まっているので撮影の小道具として使われるのであれば偽物を用意して頂けるとありがたいです・・・。あと汚してしまったらすぐ教えて欲しいです・・・。
オタハナちゃん
そのまま逃げられると気付かずに利用できないまま売上に影響しますからね。
CQさん
困った撮影とは少しズレますが・・・お金を入れずに撮影ブースで写メを撮ったり、自身のカメラで撮影をするという事も時々ありました。(白背景で照明も明るく綺麗に撮影出来る為)無料撮影スペース貸出をしている訳ではないしその機種で撮りたい方の阻害にもなるので完全な迷惑行為です。軽い気持ちでも控えて欲しいと思いました。
オタハナちゃん
困ったお客といえば、クレーンゲームの転売目的のプロ集団がいるという話がありますが実際はどうでしたか?
CQさん
いましたねー!クレーンゲームのコーナーでは毎日同じ面々を見掛けていました。
オタハナちゃん
存在はするのですね。
CQさん
ゲーセンが割と近くに何店舗もあったので、数人でグループを組んで人気景品やロット内で数が少ない種類の景品(何故か知ってるんですよね)を獲りに来ていましたね。人気景品にはどこのお店もゲットの個数制限を掛けているので、団体で大量にゲットしてアニメグッズ系の中古ショップやレンタルボックスで売り捌く流れでしょうか。
オタハナちゃん
そんなシステムに・・・何か対応は?
CQさん
こちらとしては一日の獲得個数に制限を設けるしかありません。バイヤーに合わせて難易度設定をすると一般のお客様がゲット出来なくなりますし、かといって何もしないと原価割れレベルの金額で根こそぎ持って行かれますので。
オタハナちゃん
確かに難易度をあげればいいって話ではないですよね。
CQさん
個数制限を守っている内は『クレーンゲームの上手い団体のお客様』なので、その後は転売も廃棄もお客様の自由です。
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オタハナちゃん
そんな色々なお客さんの中で今まで見た変わったお客さんは?
CQさん
いっぱいいますよ!(笑)
オタハナちゃん
例えば?
CQさん
毎日女性スタッフ一人一人と五分程度話して帰っていくだけの人、クレーンゲームの下に落ちて諦められた百円玉を目当てに巡回しにくるホームレス、プリクラの貸衣装にと自腹で自分の好きなキャラの服を寄付してくる方、一日一個の獲得制限がある景品が複数欲しくてジャケットを腰に巻いてサングラスを掛けるだけで誤魔化そうとする方……あと、夜閉店間際に一階フロアを自転車で一周走り抜けていく酔っ払いの事案もありました。
オタハナちゃん
イッパイ出てきたー!けど中には犯罪の匂いも・・・盗撮・盗難など問題になっていましたが実際には?
CQさん
そういった犯罪が起きない様にスタッフの巡回を常に行っていましたが、決して頻繁ではありませんが無くならないのが現状です。人間誰しも…特にオタクは輪をかけて好きなものに集中すると周りがどうでもよくなります。質問とはズレますが、地震やボヤで店員が避難を促してもプレイ中だからと逃げようとしないお客様がいます。クレジット補償します!と言わないと逃げません
オタハナちゃん
お金を出したりする上でゲーム中は無防備になりやすい状況にも。
CQさん
音ゲー・プリクラでは女性の割合も多い為に比較的被害がよくあがるのですが、何かあってもプレイを止めずに全部終わってから『さっきなんですが…』と申し出る事がしばしばです。その為現行犯確保は難しく、カメラで特徴を確認し以後注意して巡回するという形になります。
オタハナちゃん
店員さんも大変ですね・・・。ゲーセンでは落とし物が多いと聴いたことがありますが今まであった面白い落とし物はありますか?
CQさん
落とし物も落とし銭も本当に多いので是非お客様には帰る前に一度手回り品の確認をして頂きたいのですが、驚いたのは同人イベントで購入したと思われる大量の戦利品がゲーム筐体の荷物置きにそのまま置いてあった事です。お客様は30分ほどですぐ取りにいらっしゃったのですが、『いつもポケットに財布とスマホを入れるだけの手ブラで来ていたのでゲームをしたら手ブラで帰ってしまった』と仰っていました・・・クセって怖いですね。
オタハナちゃん
持ち慣れていないものを持ってると危険ですね。
CQさん
あとは新品のタグを取っただけの男性下着ですかね。タグは近くにありました。汚れている訳でもなかったので何でだろうと思ったし、勿論取りにはいらっしゃいませんでした。
オタハナちゃん
ゲーセンが多数ある場所にお務めでしたが、ゲーセン同志の軋轢などはありましたか?
CQさん
そんなにどこでもある事ではないと思うのですが、勤務していた店は近隣の同業他店舗の内一社とちょくちょくあったみたいですね。
オタハナちゃん
具体的には何が?
CQさん
元々はサービスやイベントの時にポップ等で相手を煽ったとか煽ってないとかの次元から始まり、意図的なプライズ乱獲や業務両替を行う常習犯をスタッフが尾行したら向こうの従業員である事が発覚したり、最終的には向こうの従業員を名乗る脅迫状が店舗に届いて店長が向こうの店長をファミレスに呼び出して話し合いをしたとか・・・結末がどうなったかは聞いていません。
オタハナちゃん
勤務中に遭遇した困ったトラブルは?
CQさん
業務上横領で辞めさせられてしまったスタッフがいました。
オタハナちゃん
それは困りモノですね。一体どうやって?
CQさん
閉店間際の閉め作業の時間を狙い、勤務のスタッフと非番のスタッフが共謀して監視カメラに映りづらいルートから景品を運びだし転売していた様です。末路としては転売で得た利益も社会的な立場も失ってしまった様ですが・・・悪い事は出来ませんね。
オタハナちゃん
目の前の利益に目が眩んでしまったのでしょうね・・・他には何かありましたか?
CQさん
クレーンゲームが上手くいかず、アドバイスで納得が行かなかった様で延々と『金を出すから代わりに取れ』『見本を見せろ』『出来ないならボッタクリだ』と言い続ける方には少し困りました。私がいた店舗では見本プレイは禁止されていましたし、代行プレイに至っては風営法に引っ掛かる可能性もあります。
オタハナちゃん
クレーマーは困りますね・・・。
CQさん
風営法は意外と細かくて、例えばゲットしたぬいぐるみを色違いの物に交換するだけでもアウトになります。景品をプレイなしで販売するのも風営法違反です。そういったものはお客様に意地悪をしたくてお断りしている訳ではないので、ご理解頂けると幸いです。
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ゲームセンターのこれからについて

オタハナちゃん
店員さんから見てゲームセンター業界はどうでしたか?
CQさん
変化の激しい業界で大変刺激的でした。本当に毎日楽しかったです。今後は正直なところ、アーケードゲームに於いては厳しくなっていく傾向にあると思います。
オタハナちゃん
厳しくなってくるとは?
CQさん
無料で遊べるスマホゲームが世に溢れている上に家庭用ゲームの通信対戦がメジャーになった今、わざわざ対戦ゲームを外に出てやる方は減ってきています。実際、アーケードゲームの家庭版の発売日からそのゲームに全くお客様が着かなくなるのはザラです。高いお金で入荷したゲームが短い期間で家庭版発売されてゲームリーダーが頭抱えたり・・・。
オタハナちゃん
ゲームを取り巻く環境や媒体は変わってきていますからね・・・。
CQさん
アーケードゲームが売れなくなってくると店舗は設置面積に対しての売上が高いクレーンゲームに頼らざるを得なくなり、クレーンゲームがどんどん増えていきます。ゲーム好きとしては悲しい・・・。
オタハナちゃん
ゲーセンとしてはゲーマーの好きなゲームより一般人が好むゲームを取り入れていくと。
CQさん
一方でガンスリンガー ストラトス3ワンダーランド ウォーズ・古くは戦場の絆・これから稼働のMagicians DEAD(マジシャンズデッド)など『ゲーセンだから出来るゲーム』もあるし、各会社さんもゲーセンに人を呼べる新しい試みを沢山考えていらっしゃるので、それが明るい方向に進めば良いなと思っています!

Editor’s note
ここ数年の電気代に消費税・そしてスマホゲームの台頭によりゲームセンターの数は激減した。そんな劣勢のアーケードゲームがどうすれば生き残っていけるか。実際に会って話して楽しめるリアルコミュニケーションがゲームセンターの強みが今回のインタビューで分かった。これを活かせるかどうかが鍵ではないかと考える。
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